日本源泉湯宿を守る会について
源泉の湯と温泉文化の守り主 日本源泉湯宿を守る会
源泉湯宿。この新しい四文字熟語は、温泉旅館のご主人・社長さんたちを中心にして結成された「日本源泉湯宿を守る会」を特徴づける造語である。この任意団体としての会は、平成16年(2004)7月12日、東京・池袋のメトロポリタンホテルで開かれた設立総会で会則を定めて発足した。
環境省は平成17年5月に新たに温泉利用施設における掲示項目に加水、加温、循環濾過等の有無を追加して掲げることを義務づけた。しかし、このことが温泉法第1条で定めた目的の一つである「温泉の利用の適正」を大きく歪め、第2条で定めた「温泉」の定義からも逸脱する事を、行政自らが正当化させる事になったと思う。分かりやすく言えば、「本物とは言えない温泉」の存在と利用を公認したのである。
では「本物の温泉」とは何か。その答えは、古くから多くの人々が親しんだ温泉を掛け流す入浴法に受け継がれている。温泉掛け流しは、我が国固有の温泉文化なのである。温泉を掛け流す本物の温泉利用へのこだわりが、「日本源泉湯宿を守る会」設立の強い動機となっている。
作業は本物の温泉の定義付けから始まった。もちろん、温泉法の「温泉」の規定に準じている。「源泉湯宿」の「源泉」とは、地中から湧出する源の温泉のことである。その源泉を、宿の集客定員に見合う量を引き湯して浴槽に掛け流している宿を、「源泉湯宿」と呼ぶのである。当然のことだが、これは地下の温泉源が保全されてなければ出来ない事なのである。
かつての温泉療養を目的に足を運んだ湯治場の温泉を守りながら現在の医学的効果とその科学的根拠を次世代に繋げていく会、それが日本源泉湯宿を守る会である。
日本源泉湯宿を守る会 会員宿一同